決まっていること、決まっていないこと
結論から整理します。2026年の電気・ガス補助について、確定している情報と未確定の情報を分けておきます。
- 2027年1月〜3月の使用分について、補助の実施が決定しています
- 申請は不要です。契約している電力・ガス会社が補助を受け、自動的に請求額から値引きされます
- 対象は一般家庭と、年間契約量1,000万㎥未満の企業等です
空白になると、何が起きるのか
問題は、この空白期間が暖房を使い始める時期と重なることです。
11月から12月にかけて気温が下がり、使用量そのものが増えていきます。使用量が増えるタイミングで値引きがない状態になるため、12月と1月に届く請求は、前年の同じ月より高く感じられる可能性があります。
しかも電気とガスの請求は1〜2か月遅れて届きます。12月に寒くて使った分の請求は、1月から2月にかけて来ます。年末年始の出費と重なる時期です。
ここで大事なのは、補助が出るかどうかは自分では変えられないということです。待っていても状況は動きません。先に変えられるのは契約のほうです。
補助を待たずにできること——効く順に4つ
1|契約を見直す(一度きり・毎月ずっと効く)
暖房の使い方より先に、契約を見てください。ここが唯一「一度手続きすれば、あとは何もしなくても毎月効き続ける」打ち手です。
見るのは3か所だけです。検針票か、電力会社のWeb明細を1枚用意してください。
- 契約アンペア:使っても使わなくても毎月かかる基本料金の土台です。1段階(10A)下げると月300円前後、年間で3,500円程度下がります(会社・契約により異なります)
- 料金プラン:同じ会社の中に、生活パターンに合うプランが眠っていることがあります。在宅時間が変わったのに古いプランのまま、というのはよくある話です
- 電力・ガス会社の切り替え:月数百円〜2,000円程度下がる場合があります
会社の切り替えについても正直に書いておくと、「誰でも必ず安くなる」わけではありません。使用量が少ない一人暮らしでは差がほぼ出ないことも、プランによっては高くなることもあります。各社の料金シミュレーションに検針票の数字を入れて、10分で確認してから決めてください。
2|暖房の設定を変える(リモコンを一度押すだけ)
暖房時の室温の目安は20℃とされています。今の設定から1℃下げるだけで、暖房費の5〜10%程度変わります。
そして運転モードは「自動」にしてください。弱風に固定するのは一見エコに見えて逆効果です。設定温度に達するまで時間がかかり、かえって電気を使います。立ち上がりに強い風で一気に到達させて、あとは維持するのが最も効率的で、それをやってくれるのが自動運転です。
あわせてフィルターの掃除を。目詰まりしたフィルターは効率を落とします。2週間に1回が目安です。
3|熱を逃がさない(一度の作業)
暖めた空気は窓から逃げます。ここを塞ぐと、同じ設定温度でも体感が変わります。
- 窓に断熱シート:ホームセンターや100円ショップで手に入ります
- 厚手のカーテンを床まで届く長さに:短いカーテンは、下から冷気が入ります
- 床にラグやカーペット:足元の冷えは体感温度を大きく下げます
- ドアや窓の隙間テープ:数百円で、隙間風が止まります
元手が数百円〜数千円かかるので3番目に置きましたが、費用対効果は高い部類です。特に足元の冷えを止めると、設定温度を1〜2℃下げても平気になることがあります。
4|器具を使い分ける(毎日の判断)
暖房器具には「部屋を暖めるもの」と「体を暖めるもの」があります。1時間あたりのコストがまったく違います。
| 器具 | 暖めるもの | 1時間あたりの目安 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| エアコン | 部屋全体 | 中くらい(効率は最も良い部類) | 家族が同じ部屋にいるとき |
| 電気ストーブ | 周辺だけ | 高い | 短時間・脱衣所など |
| こたつ | 体の下半身 | 安い | 在宅時間が長いとき |
| 電気毛布 | 体だけ | 最も安い部類 | 1人で在宅・就寝時 |
1人で家にいる時間帯にエアコンで部屋全体を暖めるのは、もっとも高くつく使い方です。電気毛布やこたつに切り替えるだけで、その時間帯のコストは大きく下がります。
意外に思われるのが電気ストーブで、ワット数が大きいわりに狭い範囲しか暖まりません。メインの暖房として使うと請求が跳ね上がります。脱衣所で5分だけ、といった使い方に向いています。
通年の光熱費の下げ方は電気代・ガス代を下げる順番に詳しくまとめています。「こまめに消す」から始めると挫折する理由も書いてあります。
払えそうにないとき、何が起きるか
ここからは、すでに支払いが厳しい方に向けて書きます。
まず知っておいてほしいのは、電気とガスは、1回払い忘れたくらいでは止まらないということです。検針日の翌日から一定期間を過ぎると督促があり、そこからさらに期間を置いて供給停止という流れになります。会社によって日数は違いますが、いきなり止まることはありません。
そして止まる前に連絡すれば、支払いを待ってもらえることがあります。これが一番大事な点です。
- 「今月は払えないが、○月○日の給料日には払える」と日付を言う
- 分割にできるか聞く(応じてもらえる場合があります)
- 供給停止の予定日を確認する
「払えません」と言うことは不誠実ではありません。連絡が取れないことだけが、手続きを機械的に進ませます。この構造は、電気・ガスに限らず家賃も税金も借金も同じです。
冬季は特に、命に関わる可能性があるため相談に応じてもらいやすい時期でもあります。ためらわず電話してください。
公的な支援も使えます
- 社会福祉協議会の緊急小口資金:一時的に必要な少額を無利子で借りられます(使い方はこちら)
- 自治体の生活困窮者自立支援窓口:光熱費・家賃・食費をまとめて相談できます
- 自治体独自の福祉給付:冬季加算や燃料費の助成がある地域があります。「自治体名+冬季 助成」で調べてみてください
家賃の支払いも厳しい状態なら、家賃が払えないときの対処に住居確保給付金などの制度をまとめています。
この冬、他にも重なるもの
2026年の後半は、家計に効く変更が続きます。光熱費だけを見ていると足をすくわれます。
- 10月:食品約2,720品目の値上げ。年内で最大の値上げラッシュです(値上げ後の食費の下げ方)
- 10月:「106万円の壁」の撤廃。週20時間以上働く方は手取りが月1.3万円ほど減る可能性があります(対象かどうかの判定と対策)
- 12月:年末年始の出費。帰省・贈答・正月の食費が重なります
この3つが暖房費の増加と同じ時期に来ます。だからこそ、9月中に固定費を落としておく価値があります。固定費の下げ方に金額の大きい順の一覧があります。
まとめ——今月やっておくこと
- 2027年1〜3月の補助は決定済み。申請は不要で、自動的に値引きされます
- 10〜12月は未定。空白になる可能性があり、暖房を使い始める時期と重なります
- 補助は待つしかないが、契約は今日変えられる。アンペア・プラン・会社の見直しは一度やれば毎月効きます
- 暖房は設定温度20℃・運転モードは自動。1℃で5〜10%変わります
- 払えそうにないときは、止まる前に電話する。日付を言って相談すれば待ってもらえることがあります
補助が出るかどうかは、待つしかありません。契約の見直しは、今日できます。
検針票を1枚出して、契約アンペアと料金プランを見るだけで10分です。その10分が、この冬の請求すべてに効きます。寒くなってからでは、使用量が増えた状態で手続きすることになります。動くなら今月です。
光熱費だけでなく返済も重なって回らない状態なら、返済額そのものを見直せる場合があります。無料・匿名OKです。
よくある質問
- 資源エネルギー庁 → https://www.enecho.meti.go.jp/
- 全国社会福祉協議会(生活福祉資金貸付制度) → https://www.shakyo.or.jp/
- 厚生労働省(生活困窮者自立支援制度) → https://www.mhlw.go.jp/