決まっていること、決まっていないこと

結論から整理します。2026年の電気・ガス補助について、確定している情報と未確定の情報を分けておきます。

確定していること
  • 2027年1月〜3月の使用分について、補助の実施が決定しています
  • 申請は不要です。契約している電力・ガス会社が補助を受け、自動的に請求額から値引きされます
  • 対象は一般家庭と、年間契約量1,000万㎥未満の企業等です
決まっていないこと:2026年10月〜12月の使用分については、執筆時点(2026年9月)で政府からの正式な発表がありません。継続の有無・対象期間・補助額とも未定です。これまでの補助は冷房と暖房の需要が高まる夏(7〜9月)と冬(1〜3月)に再開されてきた経緯があるため、10〜12月は空白になる可能性があります。

空白になると、何が起きるのか

2026年の補助スケジュールと、空白になりうる3か月 補助あり(実施済み) 未定 正式な発表なし 補助あり(決定済み) 7月〜9月 使用分 10月〜12月 使用分 2027年1月〜3月 使用分 暖房を使い始める時期と重なる 使用量が増えるタイミングで値引きがない → 12月・1月の請求が高く感じられやすい 補助の有無は変えられない。先に変えられるのは「契約」のほう アンペア・料金プラン・会社の切り替えは、一度やれば以後ずっと効き続ける
図:2026年の補助スケジュール。10〜12月分は執筆時点で未定です。この図は自由に転載していただけます(出典としてよりそいマネーを明記してください)。ほかの図解もお金の図解ページにあります。

問題は、この空白期間が暖房を使い始める時期と重なることです。

11月から12月にかけて気温が下がり、使用量そのものが増えていきます。使用量が増えるタイミングで値引きがない状態になるため、12月と1月に届く請求は、前年の同じ月より高く感じられる可能性があります。

しかも電気とガスの請求は1〜2か月遅れて届きます。12月に寒くて使った分の請求は、1月から2月にかけて来ます。年末年始の出費と重なる時期です。

ここで大事なのは、補助が出るかどうかは自分では変えられないということです。待っていても状況は動きません。先に変えられるのは契約のほうです。

補助を待たずにできること——効く順に4つ

暖房費を下げる順番——上ほど「一度やれば終わり」 1 契約を見直す 契約アンペアを1段階下げて月300円前後/プラン変更・会社の切り替えで数百〜2,000円 手間:電話1本かWeb。生活は何も変わらない  効果:毎月ずっと続く 2 暖房の設定を変える 設定温度の目安は20℃。1℃下げると暖房費の5〜10%程度。運転モードは「自動」が最も効率的 手間:リモコンを一度押すだけ  効果:大きい 3 熱を逃がさない 窓の断熱シート・厚手のカーテン・床のラグ・隙間をふさぐ。同じ設定温度でも体感が変わる 手間:一度の作業(数百〜数千円の元手)  効果:中くらい 4 器具を使い分ける 部屋を暖めるエアコンと、体を暖める電気毛布・こたつ。1人の在宅時間は後者が安い 手間:毎日の判断が要る  効果:使い方次第
図:暖房費を下げる打ち手の優先順位。金額は契約・住居・地域により変わるため目安です。この図は自由に転載していただけます(出典としてよりそいマネーを明記してください)。

1|契約を見直す(一度きり・毎月ずっと効く)

暖房の使い方より先に、契約を見てください。ここが唯一「一度手続きすれば、あとは何もしなくても毎月効き続ける」打ち手です。

見るのは3か所だけです。検針票か、電力会社のWeb明細を1枚用意してください。

ただし冬にアンペアを下げるときは慎重に。暖房は電気を多く使うため、夏と同じ感覚で下げるとブレーカーが落ちやすくなります。エアコンと電子レンジとドライヤーを同時に使うか、を基準にしてください。頻繁に落ちる生活はストレスなので、無理な下げすぎは禁物です。

会社の切り替えについても正直に書いておくと、「誰でも必ず安くなる」わけではありません。使用量が少ない一人暮らしでは差がほぼ出ないことも、プランによっては高くなることもあります。各社の料金シミュレーションに検針票の数字を入れて、10分で確認してから決めてください。

2|暖房の設定を変える(リモコンを一度押すだけ)

暖房時の室温の目安は20℃とされています。今の設定から1℃下げるだけで、暖房費の5〜10%程度変わります。

そして運転モードは「自動」にしてください。弱風に固定するのは一見エコに見えて逆効果です。設定温度に達するまで時間がかかり、かえって電気を使います。立ち上がりに強い風で一気に到達させて、あとは維持するのが最も効率的で、それをやってくれるのが自動運転です。

あわせてフィルターの掃除を。目詰まりしたフィルターは効率を落とします。2週間に1回が目安です。

3|熱を逃がさない(一度の作業)

暖めた空気は窓から逃げます。ここを塞ぐと、同じ設定温度でも体感が変わります。

元手が数百円〜数千円かかるので3番目に置きましたが、費用対効果は高い部類です。特に足元の冷えを止めると、設定温度を1〜2℃下げても平気になることがあります。

4|器具を使い分ける(毎日の判断)

暖房器具には「部屋を暖めるもの」と「体を暖めるもの」があります。1時間あたりのコストがまったく違います。

器具暖めるもの1時間あたりの目安向いている場面
エアコン部屋全体中くらい(効率は最も良い部類)家族が同じ部屋にいるとき
電気ストーブ周辺だけ高い短時間・脱衣所など
こたつ体の下半身安い在宅時間が長いとき
電気毛布体だけ最も安い部類1人で在宅・就寝時

1人で家にいる時間帯にエアコンで部屋全体を暖めるのは、もっとも高くつく使い方です。電気毛布やこたつに切り替えるだけで、その時間帯のコストは大きく下がります。

意外に思われるのが電気ストーブで、ワット数が大きいわりに狭い範囲しか暖まりません。メインの暖房として使うと請求が跳ね上がります。脱衣所で5分だけ、といった使い方に向いています。

通年の光熱費の下げ方は電気代・ガス代を下げる順番に詳しくまとめています。「こまめに消す」から始めると挫折する理由も書いてあります。

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払えそうにないとき、何が起きるか

ここからは、すでに支払いが厳しい方に向けて書きます。

まず知っておいてほしいのは、電気とガスは、1回払い忘れたくらいでは止まらないということです。検針日の翌日から一定期間を過ぎると督促があり、そこからさらに期間を置いて供給停止という流れになります。会社によって日数は違いますが、いきなり止まることはありません。

そして止まる前に連絡すれば、支払いを待ってもらえることがあります。これが一番大事な点です。

電力・ガス会社に電話で伝えること
  • 「今月は払えないが、○月○日の給料日には払える」と日付を言う
  • 分割にできるか聞く(応じてもらえる場合があります)
  • 供給停止の予定日を確認する

「払えません」と言うことは不誠実ではありません。連絡が取れないことだけが、手続きを機械的に進ませます。この構造は、電気・ガスに限らず家賃も税金も借金も同じです。

冬季は特に、命に関わる可能性があるため相談に応じてもらいやすい時期でもあります。ためらわず電話してください。

公的な支援も使えます

家賃の支払いも厳しい状態なら、家賃が払えないときの対処に住居確保給付金などの制度をまとめています。

この冬、他にも重なるもの

2026年の後半は、家計に効く変更が続きます。光熱費だけを見ていると足をすくわれます。

この3つが暖房費の増加と同じ時期に来ます。だからこそ、9月中に固定費を落としておく価値があります。固定費の下げ方に金額の大きい順の一覧があります。

まとめ——今月やっておくこと

  1. 2027年1〜3月の補助は決定済み。申請は不要で、自動的に値引きされます
  2. 10〜12月は未定。空白になる可能性があり、暖房を使い始める時期と重なります
  3. 補助は待つしかないが、契約は今日変えられる。アンペア・プラン・会社の見直しは一度やれば毎月効きます
  4. 暖房は設定温度20℃・運転モードは自動。1℃で5〜10%変わります
  5. 払えそうにないときは、止まる前に電話する。日付を言って相談すれば待ってもらえることがあります

補助が出るかどうかは、待つしかありません。契約の見直しは、今日できます。

検針票を1枚出して、契約アンペアと料金プランを見るだけで10分です。その10分が、この冬の請求すべてに効きます。寒くなってからでは、使用量が増えた状態で手続きすることになります。動くなら今月です。

光熱費だけでなく返済も重なって回らない状態なら、返済額そのものを見直せる場合があります。無料・匿名OKです。

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よくある質問

補助金を受け取るのに、申請は必要ですか?
必要ありません。契約している電力会社・ガス会社が国から補助を受け、その分を請求額から自動的に値引きする仕組みです。利用者側の手続きは一切ないため、申請書の提出や窓口への連絡は不要です。値引きされているかどうかは、検針票やWeb明細に補助や値引きの記載があるかで確認できます。なお「補助金の手続きが必要」と連絡してくる電話やメールは詐欺の可能性が高いので、応じないでください。
2026年10月から12月は、結局補助があるのですか?
執筆時点(2026年9月)では、政府からの正式な発表がなく未定です。これまでの補助は、冷房と暖房の需要が高まる夏(7〜9月)と冬(1〜3月)に再開されてきた経緯があるため、10〜12月は対象外になる可能性があります。ただし追加の経済対策などで方針が変わることもあるため、資源エネルギー庁や契約している電力会社の発表を確認してください。いずれにせよ、補助を前提に家計を組まないほうが安全です。
契約アンペアを下げると、ブレーカーが落ちませんか?
下げすぎると落ちます。特に冬は暖房で電気を多く使うため、夏と同じ感覚で下げると頻繁に落ちることがあります。判断の基準は「エアコンと電子レンジとドライヤーを同時に使うか」です。同時に使う生活なら、下げないほうが無難です。目安として一人暮らしなら30A、2〜3人世帯なら40A程度が使われることが多いですが、オール電化や電気式の暖房を使っている場合はもっと必要です。落ちても命に関わるわけではありませんが、ストレスになるので無理な下げすぎは避けてください。
電力会社を切り替えると、本当に安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。使用量が少ない一人暮らしでは差がほとんど出ないことがあり、プランによっては高くなる場合もあります。また市場価格に連動するプランは、電力の市場価格が上がった月に請求が跳ね上がるリスクがあります。判断するには、検針票の使用量(kWh)を各社の料金シミュレーションに入れて比較するのが確実です。10分ほどで終わります。なお切り替えても停電のしやすさは変わりません。送電網は同じものを使っています。
エアコンとこたつ、どちらが安いですか?
1人で在宅している時間帯なら、こたつや電気毛布のほうが安くなります。エアコンは部屋全体の空気を暖めるため、広い空間ほど電力を使います。一方こたつや電気毛布は体の周りだけを暖めるので、消費電力そのものが小さくて済みます。ただし家族が同じ部屋にいる場合や、部屋全体を一定の温度に保ちたい場合はエアコンのほうが効率的です。「何人が、どれくらいの時間いるか」で使い分けてください。なお電気ストーブはワット数が大きいわりに狭い範囲しか暖まらないため、メイン暖房には向きません。
電気やガスは、滞納するとどのくらいで止まりますか?
会社によって異なりますが、1回払い忘れただけで即座に止まることはありません。検針日の翌日から一定期間を過ぎると督促状が届き、そこからさらに期間を置いて供給停止の予告、そして停止という流れになります。おおむね50日前後を目安とする会社が多いですが、正確な日数は契約している会社に確認してください。重要なのは、止まる前に連絡すれば支払いを待ってもらえる場合があるということです。「○月○日には払える」と日付を伝えて相談してください。
冬に電気が止まってしまったら、どうすればいいですか?
まず契約している電力会社に電話してください。未払い分を支払えば再開されますが、支払いが難しい場合は分割や猶予の相談ができることがあります。同時に、自治体の生活困窮者自立支援の窓口と社会福祉協議会にも連絡してください。緊急小口資金など、一時的に必要な少額を無利子で借りられる制度があります。冬季は命に関わるため、自治体独自の緊急支援がある地域もあります。ひとりで抱えず、その日のうちに複数の窓口に電話してください。
光熱費のほかに、この冬に備えておくべきことはありますか?
2026年の後半は家計に効く変更が重なります。10月に食品約2,720品目の値上げがあり、年内で最大の値上げラッシュになります。同じ10月に「106万円の壁」が撤廃され、週20時間以上働く方は社会保険料の負担で手取りが減る可能性があります。さらに12月には年末年始の出費が重なります。これらが暖房費の増加と同じ時期に来るため、9月のうちに固定費(通信費・保険・サブスク)を見直して余白を作っておくと、冬の衝撃がかなり和らぎます。
📌 参考・出典
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執筆
よりそいマネー編集部
借金・債務整理に関する情報をわかりやすく提供することを目的として運営しています。記事の内容は公開情報・法令をもとに作成していますが、個別の法律相談は専門家にご確認ください。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助金の実施状況・金額・期間は変更されることがあり、最新の情報は資源エネルギー庁および契約中の電力・ガス会社の発表をご確認ください。料金・コストの記載は執筆時点の一般的な目安です。