前提——公的制度という防波堤
- 高額療養費制度:健康保険加入者の医療費自己負担には月額上限があります(一般的な所得で月9万円前後)。「入院=数百万円」は日本の制度下では起きにくい
- 傷病手当金:会社員が病気で働けない間、給与の約3分の2×最長1年6か月(詳しくはこちらの記事)
- 遺族年金:万一の際も遺族基礎・厚生年金があります
- 民間保険はこの防波堤で足りない部分だけを埋めるもの。全部を民間で備えようとするから、保険料が家計を食うのです
絶対に残す2つ
- ① 自動車保険の対人・対物(無制限):事故の賠償は億に届き得ます。借金がいくらあっても、これだけは切ってはいけません。削るなら車両保険・特約側で
- ② 扶養家族がいる場合の死亡保障(掛け捨て):あなたに万一があったとき、遺された家族の生活費の不足分。掛け捨ての定期保険・収入保障保険なら、大きな保障が月数千円で買えます。貯蓄型でなく掛け捨てで持つのがこの時期の正解
見直す3つ
- ① 貯蓄型保険:解約返戻金の記事のとおり、高金利の借金と併走する積立は毎年確実に損です。払済・減額・解約を検討
- ② 過剰な医療保障:高額療養費を前提に、「月上限9万円前後×数か月」を貯えと最低限の保障でカバーできる設計へ。入院日額1万円超・複数社加入は過剰のサイン
- ③ 使途不明の特約群:がん特約・三大疾病・介護特約……証券を並べると、同じリスクに重複して払っていることがよくあります。特約は1つずつ「これは何のリスクにいくら?」と棚卸しを
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実行手順(解約だけが手段ではない)
- ① 保険証券を全部並べる(家族の分も)。月額保険料の合計をまず出す
- ② 上の表で🟢🟡🔴に仕分け
- ③ 🔴の貯蓄型は「払済・減額・解約」の3択で処理(健康状態・予定利率の確認を忘れずに)
- ④ 🟡は公的制度を前提に縮小。死亡保障が必要なら先に掛け捨てを確保してから旧契約を整理(無保険期間を作らない)
- ⑤ 浮いた月額は返済の上乗せへ直行(繰り上げの効果は年率15%)
誘導されない相談のしかた
- 最初の一言:「削る相談です。新規加入は考えていません」——これで話の土俵が決まります
- 「見直し」の名目で貯蓄型→別の貯蓄型への乗換えを勧められたら、その場で決めない。乗換えは手数料の払い直しになることが多い領域です
- 迷ったら持ち帰って、このページの表に当てはめ直す。即決を求める提案は、それだけで警戒理由になります
証券を全部テーブルに並べたら、保険料の合計は月2万8千円だった。返済に苦しみながら、リスクへの「お守り」に年34万円。仕分けして残したのは対人対物と掛け捨ての死亡保障だけ。月1万9千円が返済に回るようになって、初めて完済までの道が「見える距離」になった。
※よくある状況をもとにした構成例です
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「制度の説明」だけでは決められない、判断の話が読みたい方は
保険証券を並べた夜のこと。noteでは「かず」が、こうした場面の迷いと判断を、感情ごと正直に書いています。無料記事から読めます。
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よくある質問
借金があるとき、保険は全部解約すべきですか?
全部ではありません。残すべき最優先は、①自動車保険の対人・対物(事故1回で人生が終わるリスクの回避)②扶養家族がいる場合の掛け捨て死亡保障、の2つです。逆に見直し候補の筆頭は、貯蓄型保険(年15%の借金をしながら数%で積み立てる矛盾)と、健康な人の過剰な医療保障(高額療養費制度がある前提で考える)です。
医療保険がないと、入院したとき破産しませんか?
公的制度を先に知ってください。健康保険には高額療養費制度があり、一般的な所得なら1か月の自己負担はおよそ9万円前後が上限です。さらに会社員なら傷病手当金(給与の約3分の2×最長1年6か月)もあります。つまり「医療費で破産」の前に公的な防波堤が2つあります。民間医療保険は、この防波堤で足りない部分(差額ベッド代・長期の収入減など)を埋めるものと位置づけると、必要な保障額は思ったより小さくなります。
保険の見直しは誰に相談すればいいですか?
中立性を意識してください。特定の保険会社の営業担当は自社商品の維持・乗換えに誘導する構造があります。複数社を扱うFP(ファイナンシャルプランナー)の無料相談で「削る前提」の相談をするか、有料の独立系FPに依頼する方法があります。無料相談でも「新しい保険に入るつもりはなく、削る相談です」と最初に伝えると、話が正しく進みやすくなります。
見直しでどのくらい浮きますか?
家計によりますが、貯蓄型を払済に変更・医療保障を公的制度前提に縮小・重複特約の整理で、月1〜3万円変わる家庭は珍しくありません。月2万円なら年24万円——年率15%の借金の残高160万円分の利息に相当します。保険の見直しは、家計改善の中で「我慢を伴わない」数少ない大技です。
📌 参考・出典
- 厚生労働省「高額療養費制度」 → https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
- 全国健康保険協会「傷病手当金」 → https://www.kyoukaikenpo.or.jp/
- 生命保険文化センター → https://www.jili.or.jp/
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律アドバイスではありません。手続きの可否は個別の状況により異なります。具体的な手続きについては弁護士・司法書士にご相談ください。