「弁護士費用が払えないから相談できない」——そんな方のための公的制度が法テラス(日本司法支援センター)です。収入・資産が一定以下なら、無料の法律相談(3回まで)と、弁護士費用の立替(月5,000〜10,000円の分割返済・無利息)が利用できます。生活保護受給中は返済が猶予・免除されることもあります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 無料法律相談 | 同一問題で3回まで無料 |
| 費用の立替(民事法律扶助) | 着手金等を立替・月々分割で返済 |
| 生活保護受給中 | 立替金の返済が猶予・免除の場合あり |
※収入要件があります。詳しくは法テラスの窓口・コールセンターで確認できます。
「弁護士に頼みたいけど、相談料も払えない」——この悩みを解決するのが法テラス(日本司法支援センター)です。国が設立した公的機関で、経済的に困っている人が法律サービスを受けられるよう支援しています。
法テラスの民事法律扶助を使うには、収入と資産の2つの基準を、どちらも満たす必要があります。片方だけでは対象になりません。
額面ではなく手取りの月収です。賞与がある場合は12で割って月額に均します。
2つの加算があるので、境界線上でも諦めないでください。
つまり東京都区部で家賃を払っている単身者なら、実際の上限は20万円を超えることがあります。「18万2千円を超えているから無理」と自己判断せず、窓口で計算してもらってください。
現金・預貯金が中心で、有価証券なども含みます。ただし自分が住んでいる家や、生活に必要な家財は原則として算入されません。
また3か月以内に確実に支出が予定されている費用(医療費、教育費など)は、資産から差し引ける場合があります。ここも窓口で相談する価値があります。
基準の判定は自分では正確にできません。「たぶん無理だろう」と諦めて、有料の事務所に高い費用を払うのは、この制度で最も多い損失です。
問い合わせだけなら電話で足ります。法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)。ここで収入と家族構成を伝えれば、対象になりそうかどうかは判断してもらえます。
1回30分程度の相談を、同一の問題について3回まで無料で受けられます。相談だけで終わっても費用は発生しません。
3回という回数は意外と使えます。1回目で状況を整理し、2回目に書類を持って具体化し、3回目で方針を決める。「1回で決めなければ」と焦る必要がないのが、この制度の良いところです。
弁護士・司法書士に依頼する際の着手金と実費を、法テラスが立て替えます。手元にお金がない状態でも、依頼を始められます。
債務整理の場合、立替額の目安は1社あたり数万円で、私的な事務所に直接依頼するより安く設定されていることが多い。
立て替えてもらった費用は、月5,000円〜1万円ずつ、原則3年以内に返します。無利息です。
そして重要な点。生活保護を受給している場合、返済が猶予されます。受給が続いたまま事件が終結すれば、最終的に返済が免除されることもあります。この制度を知らずに諦めている人がいます。
相談の予約から審査の決定まで、2週間〜1か月程度を見ておいてください。相談自体は数日以内に取れることが多いのですが、立替の審査に時間がかかります。
ここが実務上の分かれ目です。差し押さえが迫っている、明日にでも督促を止めたい——という場合は、私的な事務所のほうが速い。受任通知は依頼したその日に出せるからです。
相談の段階では揃っていなくても構いません。「書類が揃ってから」と待つほうが損です。まず電話してください。
法テラスと契約している弁護士・司法書士の中から割り当てられます。債務整理を専門にしている人とは限りません。
相性が合わない場合、変更を申し出ることはできますが、手間と時間がかかります。専門性を重視するなら、私的な事務所を選ぶという判断もあります。
審査を挟むぶん、着手までが遅くなります。前述のとおり2週間〜1か月。急ぐ事情があるなら、この差は無視できません。
立替金の返済中に収入が回復した場合、返済条件が見直されることがあります。逆に収入が減った場合は、返済の猶予を申し出ることもできます。放置せず相談してください。
| 法テラス | 私的な事務所 | |
|---|---|---|
| 費用 | 安い(立替・無利息) | 事務所による |
| 着手までの速さ | 2週間〜1か月 | 最短で当日 |
| 担当者 | 選べない | 自分で選べる |
| 利用条件 | 収入・資産の基準あり | 誰でも可 |
| 相談料 | 無料(3回まで) | 無料の事務所が多い |
なお私的な事務所でも分割払いに応じるところがほとんどで、受任通知で返済が止まる分を費用に回せます。「お金がないから法テラスしかない」とは限りません。任意整理の費用に詳しく書きました。
法テラスの基準に当てはまらない場合でも、お金をかけずに相談できる場所があります。「30分5,000円」が弁護士相談の一般的な相場ですが、無料の窓口は複数あります。
市区町村が定期的に開催しているものです。収入の条件がなく、誰でも使えます。広報誌や自治体サイトで日程が告知されます。
「自分の状況は債務整理が必要なレベルか」を確かめるには十分です。ここで方針が見えてから、依頼先を探すという使い方ができます。
各都道府県の弁護士会が運営しています。債務整理については無料としている弁護士会が多いのが特徴です。
自治体の相談と違い、そのまま依頼につなげられるのが利点です。弁護士会に登録している弁護士なので、身元も明確です。
公益財団法人で、多重債務の相談に特化しています。相談は無料で、任意整理の手続き自体を無料で行ってくれる点が他にない特徴です。
条件に当てはまるなら、費用の面では最も有利です。多重債務ほっとラインという専用の電話窓口があります。
「188」に電話すると最寄りのセンターにつながります。弁護士ではないので法的な代理はできませんが、状況の整理と、適切な窓口の紹介をしてもらえます。
ヤミ金や違法な取り立てが絡む場合、ここが最初の窓口として適切です。
違います。法テラスは費用を立て替える機関であって、弁護士費用が無料になるわけではありません。無料なのは相談だけです。
資産基準はプラスの財産で判定されます。借金があっても、預貯金が180万円あれば基準を超えます。債務と相殺はされません。
収入や資産の状況が変われば、再度申し込めます。失業した、収入が減ったといった変化があれば、以前ダメでも対象になります。
法テラスから家族に連絡が行くことはありません。ただし同居家族の収入資料の提出を求められるため、そこで説明が必要になる場合があります。家族に内緒で進めたい場合は、この点を相談時に伝えてください。
逆です。生活保護受給中は最も使いやすい状況で、立替金の返済が猶予され、最終的に免除されることもあります。